ベクトル自己回帰モデル:複数の時系列データを解析する
私たちの身の回りには、時間とともに変化する様々な現象が存在します。例えば、一日の気温の変化や、商品の売上数の推移などが挙げられます。このような、時間の経過とともに観測されたデータの系列を時系列データと呼びます。
時系列データの特徴は、時間という要素が大きく影響している点にあります。例えば、気温であれば、一日の中で時間帯によって変化するだけでなく、季節によっても大きく変動します。また、商品の売上数であれば、曜日や祝祭日、季節などの影響を受けることが考えられます。
このような時系列データの分析には、自己回帰モデルと呼ばれる統計モデルが有効です。自己回帰モデルは、過去のデータから未来の値を予測するために用いられます。過去のデータが未来のデータに影響を与えるという考え方に基づいており、過去のデータのパターンを分析することで未来のデータを予測します。例えば、過去の気温データから未来の気温を予測したり、過去の売上データから未来の売上数を予測したりすることが可能になります。