k分割交差検証:モデルの精度をより確かに
機械学習の世界では、集めたデータを訓練データとテストデータに分けて、モデルの正確さを評価するのが主流となっています。訓練データを使ってモデルに学習させ、テストデータを使って見たことのないデータに対する性能を測るのです。しかし、データを分割する方法によっては、特定のデータの偏りによって精度が大きく変わってしまうことがあります。
例えば、顧客データを使って商品購入予測モデルを作るとします。顧客データをランダムに訓練データとテストデータに分けた場合、たまたま訓練データに特定の地域や年齢層の顧客が多く含まれてしまうことがあります。 その結果、モデルは訓練データに偏った学習をしてしまい、テストデータでは高い精度が出なくなる可能性があります。
このような問題を防ぐためには、層化サンプリングや交差検証といった方法があります。層化サンプリングは、データ全体における各グループの割合を維持するように訓練データとテストデータを分割する方法です。顧客データの例では、地域や年齢層といった属性ごとに訓練データとテストデータを分割することで、特定のグループに偏った学習を防ぐことができます。
交差検証は、データを複数に分割し、異なる分割方法でモデルの学習と評価を繰り返す方法です。例えば、データを5分割し、4つを訓練データ、残りの1つをテストデータとしてモデルの学習と評価を行います。これを5回繰り返し、5つの評価結果を平均することで、より信頼性の高いモデルの性能評価を行うことができます。
このように、機械学習モデルの評価には、適切なデータの分割方法を選択することが重要です。層化サンプリングや交差検証などを用いることで、偏りのない、信頼性の高い評価結果を得ることができます。