知識ベース

言語モデル

大規模言語モデルの広大な知識と限界

大規模言語モデル(LLM)は、その名前が示す通り、膨大な量のテキストデータを学習に利用しています。その情報源は、インターネット上に広がるニュース記事や学術論文、企業のウェブサイト、個人のブログ、電子書籍、掲示板への書き込みなど、実に多岐にわたります。LLMは、これらの膨大なテキストデータを分析し、言葉の意味や関係性、文法、さらには文脈に応じた適切な表現などを学習していきます。例えるならば、LLMの知識ベースは巨大な図書館のようなものです。図書館の書架には、歴史、科学、文学、経済など、あらゆる分野の書籍が整然と並んでいます。LLMも同様に、学習した膨大な情報を分野ごとに整理し、相互に関連付けながら記憶しています。そして、私たちが図書館で目的の本を探すように、LLMは求められた情報に関連する知識をデータベースの中から探し出し、整理して回答を生成します。LLMの驚異的な能力は、まさにこの巨大な知識ベースに支えられていると言えるでしょう。
その他

専門家の知恵をコンピュータに:知識ベースとエキスパートシステム

- 知の宝庫知識ベースとは知識ベースとは、私たち人間が日々蓄積してきた多種多様な知識を、コンピュータが理解し、活用できる形式に体系的に整理したデータベースのことです。まるで、人間の脳のように膨大な情報を蓄え、必要な時に取り出して利用できるように設計されています。知識ベースには、専門家が長年の経験と勘に基づいて得たノウハウや、教科書に書かれているような客観的な事実、過去の事例やそこから得られたデータなど、あらゆる種類の知識を格納することができます。例えば、病気の診断や治療法、法律の解釈、製品の製造方法など、様々な分野の知識を蓄積することができます。知識ベースは、いわば人工知能の頭脳を支える知恵の宝庫と言えるでしょう。人工知能は、この知識ベースにアクセスすることで、人間のように考えたり、問題を解決したりすることができるようになります。人工知能が様々な分野に進出していく中で、知識ベースはますます重要な役割を担っていくと考えられています。
アルゴリズム

エキスパートシステム:専門家の知恵をプログラムに

- エキスパートシステムとはエキスパートシステムは、特定の分野における専門家の知識や経験をコンピュータプログラムに組み込むことで、まるでその道のプロフェッショナルのように、問題解決や意思決定を支援するシステムです。人間ならば長年の経験や学習を通して蓄積していくような高度な専門知識を、コンピュータプログラムに落とし込むことで、誰でも専門家顔負けの判断を素早く得ることが可能となります。例えば、経験豊富な医師でなければ診断が難しい病気でも、エキスパートシステムを導入することで、より多くの医師が正確な診断を迅速に行えるようになり、適切な治療を施せる可能性が高まります。また、金融業界では、顧客一人ひとりの資産状況や投資目標に合わせて、最適な金融商品を提案する、といった活用も考えられます。さらに、工場の機械の故障診断など、専門知識が必要とされる現場においても、エキスパートシステムは力を発揮します。故障の原因をいち早く特定し、適切な対処法を提示することで、復旧までの時間を大幅に短縮し、生産性向上に貢献します。このように、エキスパートシステムは、医療、金融、製造業など、高度な専門知識が必要とされる様々な分野で活躍が期待されています。
その他

未知物質の構造を解明する人工知能:DENDRAL

1960年代、コンピュータサイエンスが産声を上げたばかりの頃、未知の有機化合物の構造を解明するという野心的なプロジェクトが立ち上がりました。そのプロジェクトの名は「DENDRAL」。「人工知能」という言葉さえまだ一般的ではなかった時代に、化学と情報科学を融合させ、後の専門家システムの礎を築いた画期的なシステムです。DENDRALが目指したのは、質量分析法という分析手法によって得られたデータから、未知の有機化合物の構造を特定するという、当時としては非常に困難な課題でした。このプロジェクトは、スタンフォード大学の人工知能研究の第一人者であるジョシュア・レーダーバーグ博士を中心に、コンピュータ科学者、化学者、そして質量分析の専門家が集結し、分野の垣根を越えた共同研究として進められました。DENDRALは、質量分析データから考えられる化合物の構造を推論し、その候補を絞り込むために、膨大な化学知識と複雑な推論規則を組み合わせたプログラムが開発されました。そして、DENDRALは見事にその能力を実証し、未知の化合物の構造決定に大きく貢献しました。これは、人工知能が特定の専門分野において人間の専門家を超える可能性を示唆した画期的な出来事であり、人工知能研究の新たな時代の幕開けを告げるものでした。