
割引率:未来の価値を現在に換算
- 割引率とは割引率とは、将来受け取れる報酬を、今の時点でどれくらいの価値として捉えるかを表す指標です。例えば、1年後にもらえる10,000円と、今すぐもらえる10,000円では、どちらが嬉しいでしょうか?多くの人は、今すぐもらえる10,000円の方を valuable だと思うでしょう。これは、* 将来の出来事は不確実性を含むため* 手元にあるお金はすぐに使うことができるためといった理由によります。割引率は、このような将来の報酬を現在の価値に換算する際に用いられます。割引率が高い場合は、将来の報酬よりも現在の報酬を重視することを意味します。逆に割引率が低い場合は、将来の報酬にも現在の報酬と同程度の価値を置きます。強化学習において、割引率はエージェントが将来得られる報酬をどれくらい重視するかを調整する役割を担います。割引率の設定は、エージェントの学習に大きな影響を与えます。例えば、迷路を解くロボットを開発する場合、割引率が高いと、ロボットは目先の報酬ばかりを追い求めるようになり、ゴールにたどり着くまでに時間がかかってしまう可能性があります。一方、割引率が低い場合は、ゴールにたどり着くまでの時間が多少かかっても、最終的に高い報酬を得られる可能性が高まります。このように割引率は、将来の予測が困難な状況において、適切な意思決定を行うために重要な役割を果たします。