シンプソンのパラドックス

アルゴリズム

全体では負なのに、部分で見ると全部正?:シンプソンのパラドックス

- シンプソンのパラドックスとはシンプソンのパラドックスとは、統計学において、データをある視点から全体として見た場合と、いくつかのグループに分けて分析した場合とで、異なる結論が導き出されてしまう現象を指します。これは、一見すると矛盾しているように見えるため「パラドックス」と呼ばれています。例えば、新しい薬の効果を検証するケースを考えてみましょう。全体として見ると、新薬を服用した患者のほうが、服用していない患者よりも回復率が低いという結果が出たとします。しかし、患者の年齢層でグループ分けをして分析した結果、どの年齢層においても、新薬を服用した患者グループの方が回復率が高いという結果になることがあります。このように、全体を見たときとグループ分けしたときで結果が逆転してしまうのは、データの背後に隠れた変数が影響している可能性があります。先ほどの例では、年齢が隠れた変数として考えられます。もしかしたら、新薬は効果が高いものの、高齢者に処方される傾向があり、高齢者はそもそも回復率が低いということが考えられます。シンプソンのパラドックスは、データ分析を行う際に、安易に結論を導き出してはいけないということを教えてくれます。データの背後にある関係性を深く探求し、隠れた変数の影響を考慮することが、正確な分析には不可欠です。