オントロジー構築:知識を繋ぐ技術
- オントロジー構築とは
私たち人間は、普段の会話で何気なく「鳥」や「車」といった言葉を使っています。そして、これらの言葉が持つ意味や、言葉同士の関係性を無意識のうちに理解し、コミュニケーションを取っています。例えば、「鳥は空を飛ぶ」という時、私たちは「鳥」が「動物」の一種であり、「翼」を使って「飛ぶ」という行動をすることを知っています。
しかし、コンピュータにとって、言葉はただの記号の羅列に過ぎません。「鳥」という記号が、「動物」や「翼」、「飛ぶ」といった他の記号とどのように関連しているのかを理解することはできません。そこで重要となるのが「オントロジー構築」です。
オントロジー構築とは、人間が言葉に対して持っている意味や関係性を、コンピュータにも理解できるように、体系的に表現することを指します。具体的には、「鳥」という言葉に対して、「動物」という上位概念を設定したり、「翼」や「飛ぶ」といった関連語を結びつけたりすることで、言葉同士のつながりを明確化していきます。
この作業は、言葉の辞書に、言葉の説明だけでなく、言葉同士の関連性も書き加えていく作業に似ています。そして、コンピュータがこの「言葉の辞書」を読み込むことで、人間のように言葉の意味を理解し、言葉を使った推論や情報処理を行えるようになるのです。
オントロジー構築によって、コンピュータはより人間の思考に近い形で情報を処理できるようになり、AI技術の進化に大きく貢献することが期待されています。