
指示待ち? ~ゼロショット学習~
人工知能(AI)の分野は、日進月歩で進化しており、中でも機械学習はAIの知能を大きく左右する重要な技術です。機械学習の中でも、近年注目を集めているのが「ゼロショット学習」という全く新しい学習方法です。従来の機械学習では、AIに新しい物事を学習させるためには、膨大な量のデータが必要でした。例えば、AIに犬を認識させるためには、数千、数万枚もの犬の画像を学習させる必要がありました。しかし、ゼロショット学習では、そのような大量のデータは必要ありません。ゼロショット学習の最大の特徴は、事前に物事の特徴や属性に関する知識を与えておくことで、その物事を直接学習していなくても認識できるようになるという点です。例えば、AIに「犬は四本足で尻尾があり、吠える動物である」といった情報を事前に与えておけば、たとえその犬種を初めて見たとしても、「犬」であると認識できる可能性があります。これは、私たち人間が初めて見る動物でも、その特徴を聞いていれば、ある程度その動物を推測できるのと似ています。ゼロショット学習は、AIが人間のように、少ない情報からでも新しい物事を理解し、学習していくことを可能にする画期的な学習方法と言えるでしょう。