データの中心を掴む:中央値入門

データの中心を掴む:中央値入門

AIを知りたい

先生、『中央値』って、AIの分野でもよく聞くんですけど、どういう意味ですか?

AIの研究家

いい質問だね。『中央値』は、データの真ん中の値のことだよ。例えば、1, 3, 5, 7, 9というデータがあれば、中央値は5になるよ。

AIを知りたい

なるほど。でもそれって、普通の平均値とどう違うんですか?

AIの研究家

平均値は全てのデータを足して、データの数で割ったものだけど、中央値はデータの大きさ順に並べた時の真ん中の値だから、極端に大きい値や小さい値に影響を受けにくいんだ。だから、AIでは、外れ値の影響を受けにくい中央値を使うことがあるんだよ。

中央値とは。

「AIの言葉で『中央値』と言われるものは、数学や統計学、機械学習で使われる『平均』と同じ意味です。この平均は、全部の数を足して、その合計を数の個数で割る計算で求めるため、『相加平均』とも呼ばれます。

平均値の種類

平均値の種類

– 平均値の種類データの性質をひとまとめに表す値として、私たちは普段から「平均」という言葉を使っています。しかし、一口に平均値と言っても、実はいくつか種類があり、それぞれ計算方法や特徴が異なります。私たちがよく使う平均値は、-算術平均値-と呼ばれるものです。これは、全てのデータを合計し、データの個数で割ることで求められます。例えば、5人のテストの点数が、70点、60点、80点、90点、50点だった場合、算術平均値は(70+60+80+90+50) ÷ 5 = 70点となります。しかし、データの中に極端に大きかったり小さかったりする値が含まれている場合、算術平均値はそれらの値に引っ張られてしまい、データ全体の中心を正しく表せなくなることがあります。そこで、-中央値-が重要な役割を果たします。中央値は、データを小さい順(または大きい順)に並べた時に、ちょうど真ん中に位置する値です。先ほどのテストの例では、点数を小さい順に並べると50点、60点、-70点-、80点、90点となるため、中央値は70点となります。中央値は極端な値の影響を受けにくいという特徴があります。このように、平均値には種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。どの平均値を用いるのが適切かは、分析するデータの性質や分析の目的に応じて判断する必要があります。

平均値の種類 計算方法 特徴
算術平均値 全てのデータを合計し、データの個数で割る – 一般的にイメージされる「平均」
– 極端な値に影響を受ける
中央値 データを大きさ順に並べたときの真ん中の値 – 極端な値に影響を受けにくい
– データの中心を表す

中央値とは

中央値とは

– 中央値とは中央値は、データを大きさの順に並べ替えたときに、ちょうど真ん中に位置する値のことです。これは、平均値と並んでデータの代表値としてよく用いられます。例えば、5人の人が受けたテストの点数を考えてみましょう。点数は、40点、60点、70点、80点、90点だったとします。これらの点数を低い順に並べると、真ん中に来るのは70点です。つまり、この場合の-中央値は70点-となります。では、データの数が偶数の場合はどうなるでしょうか。6人のテストの点数が、40点、60点、70点、80点、90点、100点だったとします。この場合、真ん中に位置する値は70点と80点の二つあります。このような場合は、中央値は70点と80点の平均値、つまり75点となります。中央値は、極端に大きな値や小さな値の影響を受けにくいという特徴があります。例えば、先ほどのテストで、100点満点のところを1人が1000点取ったとします。平均値はこの1000点の影響を大きく受けてしまいますが、中央値は70点のままなので、大きく変わりません。このように、中央値は、データの中に飛び抜けて大きな値や小さな値が含まれている場合でも、データの中心的な傾向を表す指標として有用です。

データの個数 中央値の求め方
奇数 データを大きさ順に並べたときちょうど真ん中の値 40, 60, 70, 80, 90点の場合、中央値は70点
偶数 データを大きさ順に並べたとき真ん中の2つの値の平均値 40, 60, 70, 80, 90, 100点の場合、中央値は75点 (70点と80点の平均)

中央値の特徴

中央値の特徴

– 中央値の特徴

データの中心を表す値として、平均値と中央値があります。どちらもデータの中心を表す値ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。平均値は、全てのデータを足し合わせてデータの数で割ることで求められますが、極端に大きな値や小さな値(外れ値)の影響を受けやすいという性質があります。例えば、10人の平均年収を計算する際に、9人が400万円前後なのに1人だけ1億円の人がいた場合、平均年収は約1400万円と、実態よりもかなり高い値になってしまいます。

一方、中央値は、データを大きさ順に並べたときに真ん中に位置する値であるため、外れ値の影響を受けにくいという特徴があります。上記の例の場合、中央値は400万円前後となり、より実態に近い値を示します。これは、中央値がデータの大小関係のみで決まり、具体的な値の大きさには影響されないためです。

このように、中央値は外れ値の影響を受けにくいという点で、平均値よりも頑健な指標と言えます。そのため、データに外れ値が含まれている可能性がある場合や、データの分布が偏っている場合には、平均値よりも中央値を用いる方が適切な場合があります。

指標 計算方法 特徴 メリット デメリット
平均値 すべてのデータを足し合わせてデータの数で割る – データ全体の中心を表す
– 外れ値の影響を受けやすい
– 計算が容易
– データ全体を反映する
– 外れ値の影響を受けやすい
– データの分布が偏っている場合は適切でない場合がある
中央値 データを大きさ順に並べたときの中央の値 – データを大きさ順に並べたときの中央の値
– 外れ値の影響を受けにくい
– 外れ値の影響を受けにくい
– データの分布が偏っている場合でも頑健
– データ全体を反映しているとは言えない
– データ数が少ない場合は適切でない場合がある

中央値の利用場面

中央値の利用場面

– 中央値が力を発揮する場面データの中心を表す値として、平均値は馴染み深い指標ですが、状況によっては中央値の方がより適切な場合があります。 具体的には、次のようなケースです。第一に、極端に大きい値や小さい値、いわゆる外れ値が含まれるデータの場合です。例えば、所得分布のように、一部の高所得者が平均所得を押し上げてしまい、実態と乖離してしまうことがあります。このような場合、中央値を用いることで、外れ値の影響を受けずに、より一般的な所得水準に近い値を得ることができます。第二に、データの分布が左右対称でない場合です。反応時間や生存時間などがその例です。これらのデータは、短い時間に集中する傾向があり、分布が左側に偏っていることが多いです。このような場合、平均値は偏った分布の影響を受けてしまいますが、中央値は分布の形に関係なく、データの中央に位置する値を示すため、より中心的な値として解釈できます。最後に、データ数が少ない場合です。データ数が少ないと、平均値は外れ値の影響を受けやすくなり、不安定な指標となってしまいます。一方、中央値はデータの大小関係だけに基づいて計算されるため、少数のデータでも比較的安定した値を示します。このように、中央値は平均値とは異なる特性を持つ指標であり、データの性質や分析の目的に応じて使い分けることが重要です。

場面 説明
極端に大きい値や小さい値(外れ値)が含まれるデータの場合 例:所得分布
一部の高所得者が平均値を押し上げてしまうため、中央値を用いることで、外れ値の影響を受けずに、一般的な値を得ることができる。
データの分布が左右対称でない場合 例:反応時間や生存時間
分布が偏っている場合、平均値は影響を受けるが、中央値は分布の形に関係なく、データの中央に位置する値を示す。
データ数が少ない場合 平均値は外れ値の影響を受けやすく不安定になるが、中央値はデータの大小関係だけに基づいて計算されるため、比較的安定した値を示す。

まとめ

まとめ

– まとめ

データの中心を表す指標はいくつかありますが、その中でも中央値は重要な指標として知られています。中央値は、データを大きさ順に並べたときにちょうど真ん中に位置する値です。

中央値の特徴として、極端に大きい値や小さい値といった外れ値の影響を受けにくいという点が挙げられます。例えば、所得のデータのように、一部の高所得者によって平均値が大きく左右される場合でも、中央値を用いることで、より一般的な所得水準を把握することができます。

データの分析を行う際には、平均値だけを見るのではなく、中央値も合わせて確認することが重要です。平均値と中央値を比較することで、データの分布の偏りや外れ値の影響度合いなどを把握することができます。 中央値は、データの全体像をより正確に把握するために役立つ指標と言えるでしょう。

項目 説明
中央値の重要性 データを大きさ順に並べたときにちょうど真ん中に位置する値であり、データの中心を表す重要な指標。
中央値の特徴 極端に大きい値や小さい値といった外れ値の影響を受けにくい。
中央値の利点 所得のデータなど、一部の極端な値に影響されず、一般的な水準を把握できる。
データ分析における活用 平均値と合わせて確認することで、データの分布の偏りや外れ値の影響度合いを把握できる。
まとめ 中央値は、データの全体像をより正確に把握するために役立つ指標。