予測精度を測る!平均絶対偏差とは?
AIを知りたい
先生、「平均絶対偏差」ってなんですか?
AIの研究家
良い質問だね! 平均絶対偏差は、簡単に言うと、データのばらつき具合を測るものなんだ。それぞれのデータが、平均値からどれくらい離れているかを平均した値で表すんだ。
AIを知りたい
平均値からどれくらい離れているか、ですか?
AIの研究家
そうだよ。例えば、クラスのテストの点数を例に考えてみよう。平均点が60点だったとして、Aさんは55点、Bさんは65点だったとする。この時、平均絶対偏差は、AさんとBさんが平均点からそれぞれどれだけ離れているかの平均値になるんだ。
平均絶対偏差とは。
「平均絶対偏差」は、AIの分野で使われる言葉で、数学や統計学、機械学習の分野で、データのばらつき具合を表す指標です。平均偏差や絶対偏差と略して呼ばれることもあります。
平均絶対偏差とは
– 平均絶対偏差とは平均絶対偏差は、あるデータ群において、それぞれのデータが平均値からどれくらい離れているかを表す指標です。言い換えれば、データのバラつき具合を測る指標の一つと言えます。平均絶対偏差を計算するには、まずそれぞれのデータと平均値との差を計算します。この差のことを偏差と呼びますが、平均絶対偏差では、この偏差の絶対値を用いる点が特徴です。つまり、偏差がプラスでもマイナスでも、その符号を無視して、常にプラスの値として扱います。そして、全てのデータの偏差の絶対値を足し合わせ、データの個数で割ることで平均絶対偏差を求めます。平均絶対偏差は、予測値と実際の値の差を分析する場合など、様々な場面で活用されています。例えば、ある商品の販売予測と実際の販売数の差を分析する場合を考えてみましょう。もし平均絶対偏差が小さい場合は、予測値と実際の値の差が小さく、予測の精度が高いことを示しています。逆に、平均絶対偏差が大きい場合は、予測値と実際の値の差が大きく、予測の精度が低いことを示しています。このように、平均絶対偏差を用いることで、予測の精度を評価することができます。また、平均絶対偏差は、他の統計指標と組み合わせて用いられることもあります。例えば、標準偏差と比較することで、データの分布の特徴をより詳しく把握することができます。標準偏差は、偏差の二乗の平均値の平方根を計算するのに対し、平均絶対偏差は偏差の絶対値の平均値を計算します。そのため、標準偏差は外れ値の影響を受けやすい一方、平均絶対偏差は外れ値の影響を受けにくいという特徴があります。
指標 | 説明 | 計算方法 | 特徴 |
---|---|---|---|
平均絶対偏差 | データのバラつき具合を表す指標。データが平均値からどれだけ離れているかを表す。 | 1. 各データと平均値の差(偏差)を求める。 2. 偏差の絶対値を計算する。 3. 全てのデータの偏差の絶対値を足し合わせ、データの個数で割る。 |
外れ値の影響を受けにくい。 |
標準偏差 | データのバラつき具合を表す指標。 | 1. 各データと平均値の差(偏差)を求める。 2. 偏差を二乗する。 3. 全てのデータの偏差の二乗を足し合わせ、データの個数で割る。 4. 3の結果の平方根を計算する。 |
外れ値の影響を受けやすい。 |
計算方法
– 計算方法
平均絶対偏差は、データのばらつき具合を示す指標の一つで、予測値と実際の値がどの程度ずれているかを把握する際に役立ちます。具体的な計算手順は以下の通りです。
1. -偏差の計算- まず、各データポイントについて、予測値と実際の値の差を計算します。この差を「偏差」と呼びます。例えば、ある商品の販売予測数が100個で、実際の販売数が80個だった場合、偏差は100 – 80 = 20となります。
2. -絶対値の計算- 次に、計算した偏差の絶対値を求めます。絶対値とは、数値の符号(プラスやマイナス)を取り除いたものです。先ほどの例では、偏差20の絶対値は20となります。
3. -平均値の計算- 最後に、全てのデータポイントの絶対値を合計し、データ数で割ります。この平均値が、平均絶対偏差です。平均絶対偏差が小さいほど、予測値と実際の値のずれが小さく、予測の精度が高いことを示しています。
このように、平均絶対偏差は比較的簡単な計算で求められるため、データ分析の現場で広く活用されています。
手順 | 説明 | 例 |
---|---|---|
1. 偏差の計算 | 各データポイントについて、予測値と実際の値の差を計算する。 | 予測販売数: 100個 実際販売数: 80個 偏差: 100 – 80 = 20 |
2. 絶対値の計算 | 計算した偏差の絶対値を求める。 | 偏差: 20 絶対値: 20 |
3. 平均値の計算 | 全てのデータポイントの絶対値を合計し、データ数で割る。 | (全てのデータポイントの絶対値の合計) / (データ数) = 平均絶対偏差 |
活用例
– 活用例気温予測の精度評価気温予測を例に、平均絶対偏差の活用方法を見ていきましょう。毎日の気温を予測するモデルがあるとします。このモデルの精度を評価するため、ある月の予測気温と実際の気温のデータを比較します。まず、それぞれの日の「予測気温と実際の気温の差」を計算します。この差が小さいほど、その日の予測は正確だったと言えるでしょう。 例えば、5月1日の予測気温が20度、実際の気温が19度だった場合、差は1度となります。次に、1ヶ月分の差の絶対値を平均します。これが平均絶対偏差です。 平均絶対偏差が小さいほど、予測値と実際の気温のずれが小さく、予測モデルの精度が高いことを示します。逆に、平均絶対偏差が大きい場合は、予測モデルの精度が低い可能性があり、改善が必要となります。このように、平均絶対偏差は予測モデルの精度を評価する指標として活用できます。気温予測以外にも、株価予測や売上予測など、様々な場面で応用可能です。
項目 | 説明 |
---|---|
予測気温と実際の気温の差 | 各日の予測気温と実際の気温の差を計算。この差が小さいほど、予測は正確。 |
平均絶対偏差 | 1ヶ月分の差の絶対値を平均したもの。小さいほど予測精度が高い。 |
メリット
– メリット
平均絶対偏差には、データ分析において outlier と呼ばれる極端に大きい値や小さい値の影響を受けにくいという利点があります。
データ分析を行う際、データ全体の中心的な傾向を把握するために、様々な統計量を用います。その中でも、平均値は広く知られていますが、 outlier の影響を大きく受けてしまうという欠点があります。
例えば、10人のテストの点数を例に考えてみましょう。9人の点数が60点から80点台に集中しているのに対し、1人だけが10点だったとします。この場合、 outlier である10点の影響を受けて、平均点数は大きく下がってしまいます。
一方、平均絶対偏差は、各データと平均値との差の絶対値を用いることで、 outlier の影響を軽減することができます。絶対値とは、数値から正負の符号を取り除いた値のことです。
先ほどのテストの例で考えると、10点と平均値との差は大きくなりますが、絶対値を計算することで、他の点数と平均値との差と比べて極端に大きな値ではなくなります。そのため、平均絶対偏差は、 outlier を含むデータに対しても、データ全体の中心的な傾向を捉えた指標として、より適切に機能します。
このように、平均絶対偏差は、 outlier の影響を受けにくいという点で、平均値よりも頑健な統計量と言えるでしょう。そのため、平均絶対偏差は、 outlier を含む可能性のあるデータ分析に適した指標と言えます。
指標 | 特徴 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|---|
平均値 | データの合計をデータ数で割った値 | 計算が容易で理解しやすい | 外れ値の影響を受けやすい |
平均絶対偏差 | 各データと平均値との差の絶対値の平均 | 外れ値の影響を受けにくい | – |
他の指標との比較
– 他の指標との比較データのばらつき具合を知ることは、データの特性を理解する上で非常に重要です。そのばらつきを表す指標は、平均絶対偏差以外にもいくつか存在します。 代表的なものとして、標準偏差や分散が挙げられます。標準偏差と分散は、どちらもデータのばらつき具合を数値で表す指標ですが、計算方法が異なります。標準偏差は、分散の平方根をとった値です。どちらも、データの各値と平均値との差である「偏差」を用いて計算しますが、標準偏差や分散では、偏差を二乗してから計算するため、平均絶対偏差と比べて外れ値の影響を受けやすいという特徴があります。一方、平均絶対偏差は、偏差の絶対値を計算に用いるため、標準偏差や分散と比べて外れ値の影響を受けにくいという特徴があります。そのため、平均絶対偏差は、外れ値を含むデータのばらつき具合をより正確に表すことができると言えます。また、平均絶対偏差は、計算方法が簡単で、その値の意味も直感的に理解しやすいため、データ分析の初心者にとっても扱いやすい指標と言えるでしょう。
指標 | 計算方法 | 外れ値の影響 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
平均絶対偏差 | 偏差の絶対値を使用 | 受けにくい | – 計算が簡単 – 直感的に理解しやすい – 外れ値の影響を受けにくいので、データのばらつきをより正確に表すことができる。 |
– |
標準偏差・分散 | 偏差の二乗を使用(標準偏差は分散の平方根) | 受けやすい | – | – 外れ値の影響を受けやすい |