SHRDLU

言語モデル

積み木の世界を操るSHRDLU

- SHRDLUとは SHRDLU(シュルドゥルー)は、今から約50年前にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)のテリー・ウィノグラード教授によって開発された、コンピュータに人間の言葉を理解させることを目指したプログラムです。その当時としては非常に画期的なものでした。 SHRDLUが扱ったのは、画面上に表示されたブロックなどの物体を動かしたり、その状態を説明したりする、比較的単純な仮想世界でした。しかし、SHRDLUは「ブロックを積み上げて塔を作って」といった複雑な指示を理解し、実行することができました。さらに、「塔の一番上のブロックはどれ?」といった質問にも、正しい答えを返すことができました。 SHRDLUの画期的な点は、単に単語の意味を理解するだけでなく、文脈を考慮して言葉の意味を解釈できたことです。例えば、「さっき置いたブロック」といった指示の場合、SHRDLUは過去のやり取りを記憶しており、「さっき」がどの時点を指すのかを理解した上で、適切なブロックを動かすことができました。 SHRDLUは、人工知能における自然言語処理分野の初期の成功例として知られています。しかし、SHRDLUが扱える範囲は限定されており、現実世界のような複雑な状況に対応することはできませんでした。それでも、SHRDLUは、コンピュータが人間の言葉を理解する可能性を示し、その後の自然言語処理の研究に大きな影響を与えました。
言語モデル

積み木の世界を動かすSHRDLU

- SHRDLUとはSHRDLU(シュルドゥルー)は、今から約50年ほど前の1960年代後半に、テリー・ウィノグラードという人物によって生み出された、当時としては画期的なコンピュータプログラムです。その名前は、タイプライターのキー配列の2段目に並ぶ文字列「SHRDLU」に由来しています。SHRDLUが人々を驚かせたのは、その高度な自然言語処理能力です。 SHRDLUは、人間が日常的に使う英語の指示を理解し、その通りに仮想空間の中で様々な物体を動かしたり、積み上げたりすることができました。例えば、「赤いブロックを青い箱の上に乗せて」といった複雑な指示であっても、SHRDLUは正確に理解し、実行することができました。SHRDLUが扱ったのは、ブロックや球体、円錐といった単純な形状の物体で構成された仮想空間でした。しかし、SHRDLUはこれらの物体の位置や色、大きさなどを認識し、さらに「上」「下」「左」「右」といった空間的な関係性も理解していました。そのため、ユーザーはまるで現実世界で物を動かすように、SHRDLUに指示を出すことができたのです。SHRDLUは、人工知能の初期の成功例として、その後の自然言語処理やロボット工学の研究に大きな影響を与えました。ただし、SHRDLUは限られた数の物体と指示しか扱うことができず、現実世界の複雑さには対応できませんでした。それでも、SHRDLUの登場は、コンピュータに人間の言葉を理解させ、複雑な作業をさせるという夢を実現するための大きな一歩となりました。