物体検出の精度を測る: mAPとは?
- 物体検出の評価
画像認識の中でも、写真や動画の中に特定の物体がどこに、いくつあるのかを認識する「物体検出」は、自動運転や顔認証のように、私たちの生活に身近な技術に幅広く活用され、重要な役割を担っています。
では、物体検出の性能はどのように評価すれば良いのでしょうか?
物体検出では、物体の検出精度と、位置の予測精度の両方が重要になります。単に物体の有無を判断するだけでなく、その物体が画像のどの位置に、どの程度の大きさで存在するかを正確に特定する必要があるからです。
この精度を測る指標として、一般的に「Average Precision(AP)」が使われます。APは、物体検出モデルが検出した物体の正確さと網羅性を総合的に評価する指標です。
具体的には、まず「Precision(適合率)」と「Recall(再現率)」を計算します。適合率は、検出した物体のうち、実際に正しい物体の割合を表します。再現率は、実際に画像に含まれている物体のうち、正しく検出できた物体の割合を表します。
APは、この適合率と再現率を元に計算され、値が1に近いほど高精度であることを示します。
物体検出の評価は、開発したモデルの性能を測るだけでなく、実用化に向けて改善すべき点を明確にする上でも非常に重要です。APは、物体検出技術の進歩を測る指標として、今後も重要な役割を担っていくでしょう。