GRU:LSTMをシンプルにした進化形
文章や音声など、途切れなく続くデータの解析を得意とするリカレントニューラルネットワーク(RNN)。そのRNNをさらに進化させたものとして、LSTM(ロング・ショートターム・メモリー)が開発され、大きな注目を集めました。LSTMは、従来のRNNよりも、より長い範囲のデータの関連性を学習できるという特徴を持っています。
例えば、RNNが「今日の天気は晴れ」という文章の「晴れ」という単語を予測する場合、直前の数単語から判断するのに対し、LSTMは文章全体から判断することができます。そのため、LSTMはRNNよりも複雑な文章や長い文章の解析に適しています。
しかし、LSTMは複雑な構造をしているため、計算に時間がかかってしまうという課題がありました。そこで、計算コストを抑えつつ、LSTMの利点を活かせるように、様々な改良が加えられてきました。例えば、GRU(ゲート付きリカレントユニット)は、LSTMよりも構造を簡略化することで、計算速度を向上させたモデルです。
このように、RNNの進化形は、自然言語処理の分野において、より高度な処理を可能にするために、日々進化し続けています。