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アルゴリズム

ROC曲線とAUC:モデル精度の評価指標

- モデル評価指標の紹介機械学習を用いてモデルを構築する過程において、そのモデルが実際にどれほどの精度で予測を行うことができるのかを評価することは非常に重要です。モデルの性能を測ることで、実用的なものなのか、それとも更なる改善が必要なのかを判断することができます。この評価には、様々な指標が用いられますが、本稿では数ある指標の中でも特に「ROC曲線」と「AUC」について詳しく解説していきます。モデルの性能評価は、ただ単に正解率を見るだけでは不十分な場合があります。例えば、ある病気の陽性・陰性を判定するモデルを考えてみましょう。この病気の罹患率が非常に低い場合、たとえ常に陰性と予測するだけのモデルでも、高い正解率が出てしまう可能性があります。これは、実際には陽性であるケースを正しく予測できていないにも関わらず、陰性のケースに偏っているデータに適合してしまっているためです。このような問題点を避けるため、ROC曲線とAUCが用いられます。ROC曲線は、横軸に偽陽性率、縦軸に真陽性率をとったグラフであり、モデルの性能を視覚的に把握することができます。 AUCはROC曲線の下部の面積を指し、0から1の値を取り、1に近いほどモデルの性能が高いことを示します。 AUCは、データの偏りに影響されにくいため、より信頼性の高い評価指標として広く利用されています。ROC曲線とAUCを用いることで、モデルの性能を多角的に評価し、より適切なモデル選択や改善を行うことが可能になります。