End-to-End学習:機械学習の未来?
- 一気通貫学習終わりから終わりまでを学ぶ従来の機械学習システムでは、問題を解くために、複数の処理段階に分けて段階的に学習させる必要がありました。例えば、画像に写っている動物の種類を判別するシステムを作る場合、「画像の輪郭抽出」「特徴量の抽出」「分類」といった複数の処理をそれぞれ別々に設計し、学習させていました。しかし、近年注目を集めている「End-to-End学習」、日本語では「一気通貫学習」と呼ばれる手法では、入力データから結果出力までの一連の処理を、一つの巨大なニューラルネットワークに集約して学習させます。従来のように処理を細かく分割する必要がないため、開発者は各段階の設計や調整に頭を悩ませる必要がなくなります。まるで人間の脳が、経験を通して外界の認識方法を学習していく過程のように、大量のデータと出力結果の組み合わせを与えれば、ニューラルネットワークが自動的に最適な処理方法を見つけ出すのです。例えば、先ほどの動物の画像認識システムであれば、大量の動物画像と、それぞれの画像に写っている動物の種類を示すデータを与えるだけで、システムは自動的に画像から動物の種類を判別する能力を学習します。このように、End-to-End学習は従来の手法に比べて開発効率が非常に高く、複雑な問題にも対応できることから、自動運転や音声認識、自然言語処理など、様々な分野で注目されています。