RNN Encoder-Decoder入門
- RNN Encoder-Decoderとは
RNN Encoder-Decoderは、入力データと出力データの両方が時間的な流れを持つ時系列データの場合に特に有効な深層学習の手法です。
例えば、日本語を英語に翻訳する場合を考えてみましょう。
日本語の文は単語が順番に並んでいるため、時系列データと見なせます。同様に、翻訳された英語の文も単語の並び順が重要なので、時系列データです。
RNN Encoder-Decoderは、このような時系列データの関係性を学習し、翻訳のようなタスクを実現します。
具体的には、RNN Encoder-Decoderは二つの主要な部分から構成されています。
* Encoder(符号化器) 入力された時系列データを順番に読み込み、その情報を「文脈」として蓄積します。そして、最終的に文脈を「固定長のベクトル」に圧縮します。
* Decoder(復号化器) Encoderによって圧縮された文脈ベクトルを受け取り、それを元に時系列データを出力します。翻訳の例では、この部分が英語の文を生成します。
このように、RNN Encoder-Decoderは、Encoderが文全体の情報を圧縮し、Decoderがその情報に基づいて新しい時系列データを生成するという仕組みで動作します。
RNN Encoder-Decoderは翻訳以外にも、文章要約や音声認識など、様々な自然言語処理のタスクに利用されています。