AIの進化:五感を統合するマルチモダールAIとは?
私たち人間は、外界から様々な情報を取得し、理解することで日々を過ごしています。この情報取得には、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感が大きな役割を果たしています。例えば、太陽の光は目で見て眩しさを認識し、鳥のさえずりは耳で聞いてその美しさを感じ取ります。このように、私たちは五感を駆使することで、周囲の状況や変化を把握しているのです。
人工知能(AI)の分野においても、情報を扱う際に、それがどのような種類の情報であるかを示す概念が存在します。それが「モダリティ」です。人間が五感を用いて情報を得るように、AIもまた、様々なモダリティの情報を処理することで、より人間に近い認識や判断を行うことを目指しています。
例えば、私たちが目で見て認識する画像は「画像モダリティ」、耳で聞いて理解する音は「音声モダリティ」として扱われます。また、新聞や書籍など文字情報は「テキストモダリティ」に分類されます。AIは、これらのモダリティを個別に処理するだけでなく、複数のモダリティを組み合わせて分析することで、より高度な情報処理を実現することが期待されています。例えば、画像に映る人物の表情と、その人物の発言を組み合わせることで、より正確な感情分析が可能になるかもしれません。