電子回路

インターフェース

アナログからデジタルへ:A-D変換の基礎

私たちの身の回りには、温度計が示す気温や、耳に聞こえる音、そして目に映る光など、実に様々な情報が存在しています。これらの情報は、常に変化し続けており、ある瞬間と次の瞬間では異なる値を示すことが特徴です。例えば、気温は一日を通して徐々に上昇し、その後ゆっくりと下降していきますし、話し声は高くなったり低くなったり、強くなったり弱くなったりと、常に変化しています。このように、時間とともに連続的に変化する情報のことを、アナログデータと呼びます。 しかし、私たちの生活に欠かせないコンピュータは、このアナログデータを直接扱うことができません。コンピュータは、0と1のデジタル信号で情報を処理するため、滑らかに変化するアナログデータをそのまま理解することはできないのです。そこで、アナログデータをコンピュータで処理するためには、デジタルデータに変換する必要があります。この変換処理は、アナログ信号を特定の時間間隔で測定し、その時点での値を数値データに変えることで行われます。このようにして、コンピュータでも扱える形式に変換された情報を、デジタルデータと呼びます。
その他

ハードウェア設計の革命児:HDL入門

- HDLとはHDLは、"Hardware Description Language"の省略形で、日本語では「ハードウェア記述言語」と言います。その名の通り、コンピュータなどのハードウェアを設計するための専用の言語です。従来のハードウェア設計では、回路図と呼ばれる、線と記号で描かれた図面を用いて設計を行っていました。これは、電気回路の知識が豊富な技術者でなければ理解することが難しく、また、設計変更や修正に多大な時間と労力を要するという課題がありました。そこで登場したのがHDLです。HDLを用いることで、プログラミング言語のようにテキスト形式でハードウェアの構造や動作を記述することが可能になります。回路図と比べて、HDLは人間にとって理解しやすく、記述も容易になるため、設計効率が大幅に向上します。また、設計データの再利用や変更も容易になるため、開発期間の短縮やコスト削減にも繋がります。HDLには、VHDLやVerilog HDLなど、いくつかの種類が存在し、それぞれ特徴や用途が異なります。近年では、FPGAやLSIといった集積回路の設計に広く用いられており、家電製品から自動車、航空宇宙産業まで、幅広い分野で活用されています。