交差検証:機械学習の精度評価の要
- 交差検証とは機械学習の目的は、コンピュータに大量のデータからパターンを学習させ、未知のデータに対しても適切な予測や判断を行えるようにすることです。しかし、せっかく学習させたモデルも、その性能が未知のデータに対してどれほど有効なのか、正確に把握する必要があります。そこで登場するのが「交差検証」という手法です。交差検証は、限られたデータセットを最大限に活用し、開発した機械学習モデルの信頼性を客観的に評価するための統計的手法です。一般的な機械学習モデルの開発では、手持ちのデータを「訓練データ」と「テストデータ」に分割します。訓練データを使ってモデルの学習を行い、学習済みのモデルにテストデータを入力して、その予測精度を評価します。しかし、この方法では、たまたま選んだテストデータの性質によってモデルの性能が良く見えてしまったり、逆に悪く見えてしまったりする可能性があります。そこで、交差検証では、データを複数のグループに分割し、それぞれのグループを順番にテストデータとして利用します。具体的には、あるグループをテストデータとし、残りのグループを訓練データとしてモデルを学習します。そして、学習したモデルにテストデータを入力し、その性能を評価します。これを全てのグループが一度ずつテストデータになるまで繰り返します。このように、交差検証では、全てのデータが一度はテストデータとして使用されるため、特定のデータの偏りによる影響を抑え、より信頼性の高いモデルの性能評価が可能になります。これにより、未知のデータに対しても安定した性能を発揮する、より汎用性の高い機械学習モデルを開発することができます。