コンピュータが迷路を解く: 探索木の仕組み
- 迷路と探索迷路は、複雑に入り組んだ通路が特徴で、その中からスタート地点からゴール地点までの正しい道筋を見つけるパズルです。人間であれば、視覚と記憶を頼りに、行き止まりを避けながらゴールを目指します。しかし、コンピュータには目もなければ過去の経験を覚えているわけでもありません。そのため、コンピュータ独自の解決方法が必要となります。コンピュータが迷路を解く方法の一つに、「探索木」を用いたアプローチがあります。これは、迷路の分岐点を「ノード」として捉え、それぞれのノードから進むことができる方向へ枝を伸ばしていくことで、木構造のデータを作成していく方法です。例えば、あるノードから北と東に進むことができるとします。この場合、そのノードから北に伸びる枝と東に伸びる枝の二つが作成されます。そして、それぞれの枝の先にあるノードからも、同様に進める方向へ枝を伸ばしていきます。このようにして、スタート地点から始まり、ゴール地点を含むすべての可能な経路を網羅した「探索木」が構築されます。探索木が完成したら、あとはその木構造の中からゴール地点へたどり着くための経路を見つけ出すだけです。このとき、単純にすべての経路を順番に調べていく方法もあれば、より効率的に最短経路を見つけ出すためのアルゴリズムを用いる方法もあります。このように、「探索木」はコンピュータが迷路を解くための有効な手段の一つであり、複雑な問題を解決するための基礎的な考え方と言えるでしょう。