見誤り注意!疑似相関の罠
- 疑似相関とは一見すると関連性がありそうなのに、実際には全く関係ない、あるいはごくわずかな関係しかない二つの事象の関係性を、疑似相関と呼びます。これはデータ分析を行う上で注意が必要な落とし穴の一つであり、うっかりすると間違った結論を導き出してしまう可能性があります。例えば、「アイスクリームの売上」と「水難事故の発生件数」の関係を考えてみましょう。夏になるとアイスクリームの売上が増加し、同時に水難事故の発生件数も増加します。このデータだけを見ると、あたかも「アイスクリームの売上増加」が「水難事故の発生増加」を引き起こしているように思えるかもしれません。しかし、冷静に考えてみると、アイスクリームをたくさん食べたからといって、水難事故に遭いやすくなるわけではありません。実際には、両者の背景には「気温の上昇」という共通の要因が存在します。気温が上がるとアイスクリームの売上が伸び、また、水遊びをする機会も増えるため水難事故も増加するのです。このように、見かけ上の関係にとらわれず、背後に潜む共通の要因や他の要素を考慮することが重要です。疑似相関は、データ分析の結果を解釈する際に注意深く見極める必要があります。もし疑似相関を見落としてしまうと、誤った解釈に基づいた施策を実施してしまう可能性もあり、その結果、無駄な時間や費用を費やしてしまうかもしれません。