生産管理

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無駄をなくす!かんばん方式入門

- かんばん方式とはかんばん方式は、必要なものを、必要な時に、必要な量だけ生産・供給することで、在庫の無駄を減らし、コスト削減や品質向上を目指す、効率的な在庫管理の手法です。元々は日本の自動車工場で生まれた手法ですが、その効果の高さから、今では様々な分野で応用されています。かんばん方式の最大の特徴は、「かんばん」と呼ばれる情報カードを用いる点です。かんばんには、品名や数量、供給元、仕入先などの情報が記載されており、このかんばんが生産指示や部品の運搬指示の役割を果たします。例えば、ある工程で部品を組み立てて製品を作る場合、前の工程から必要な部品を必要なだけ受け取ります。この時、受け取った部品が入っていた箱に付いていた「かんばん」を前の工程に渡します。前の工程では、この「かんばん」を受け取ったことを合図に、次の工程で必要な分の部品を補充します。このように、「かんばん」を介して必要なものだけを必要な時に供給することで、在庫を最小限に抑え、ムダな生産を無くすことができるのです。かんばん方式は、単なる在庫管理の手法ではなく、現場の状況を可視化し、問題点を浮き彫りにする効果もあります。 例えば、ある工程で「かんばん」が溜まっている場合は、その工程に問題がある可能性を示唆しています。このように、かんばん方式は問題解決の糸口となり、継続的な改善活動にも繋がるのです。
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企業活動を支えるSCMとは?

- SCMの概要SCMとは、サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management)の略称で、企業が商品を顧客に届けるまでの一連の流れ全体を管理する取り組みのことです。 原材料の調達から始まり、製品の製造、在庫管理、配送、そして最終的な顧客への販売まで、実に様々な工程が含まれます。この一連の流れ全体を「サプライチェーン」と呼び、SCMはこれを効率的かつ円滑に運営することで、企業の競争力強化を図ることを目的としています。従来の企業活動では、それぞれの工程は独立して管理されがちでした。しかし、それでは全体最適の視点が欠け、非効率が生じることがあります。例えば、製造部門が在庫状況を把握せずに過剰に生産してしまったり、販売部門が需要予測を誤って機会損失が発生したりする可能性があります。SCMは、このような問題を解決するために、サプライチェーン全体を可視化し、各部門間での情報共有や連携を強化します。 具体的には、需要予測に基づいた生産計画の立案、在庫の適正化、配送ルートの最適化など、様々な取り組みが行われます。SCMを導入することで、企業は在庫削減、納期短縮、コスト削減、顧客満足度向上といった様々なメリットを享受することができます。 グローバル化やインターネットの普及により、企業を取り巻く環境はますます複雑化しています。そのような中で、SCMは企業が生き残っていくために不可欠な取り組みと言えるでしょう。
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トレーサビリティ:製品の信頼を築く

- トレーサビリティとはトレーサビリティとは、ある製品やサービスの起源、製造過程、流通経路などを追跡できる仕組みのことです。 これは、原材料の調達から始まり、製造、加工、流通、販売といった一連の流れの中で、誰が、いつ、どこで、どのように関わったのかを記録し、追跡できるようにすることを意味します。近年、食の安全や製品の品質に対する関心の高まりを受け、トレーサビリティの重要性がますます高まっています。例えば、食品であれば、産地や生産者、製造日、使用された原材料などを明らかにすることで、消費者は安心して商品を選ぶことができます。また、万が一、食中毒などの問題が発生した場合でも、迅速に原因を特定し、被害を最小限に抑えることが可能となります。トレーサビリティは、食品だけでなく、衣料品や自動車部品、医薬品など、あらゆる製品に適用されます。特に、偽造品や不良品の流通防止、リコール時の迅速な対応、環境保護の観点からも、その重要性は高まっています。トレーサビリティを実現するためには、製品に固有の番号を付与したり、ICタグやバーコードなどの技術を活用したりする方法があります。 これらの技術によって、製品の移動や加工の履歴を記録し、追跡することが可能となります。 消費者は、スマートフォンなどで製品の情報を読み取ることで、その製品がどこから来たのか、どのような過程を経て自分の手元に届いたのかを知ることができます。