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製品の安全を守るRoHS指令とは?

- RoHS指令の背景RoHS指令は、正式名称を「電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する指令」といい、2001年に欧州連合(EU)によって制定されました。 この指令は、電子機器の廃棄が人体や環境へ与える悪影響が深刻化する中で、その対策として制定されました。 近年、電子機器は急速に普及し、それに伴い廃棄される電子機器も増加しています。廃棄された電子機器からは、鉛、水銀、カドミウムなどの有害物質が排出され、土壌や水質の汚染、大気汚染などの環境問題を引き起こす可能性があります。 さらに、これらの有害物質は食物連鎖を通じて人体に取り込まれ、健康被害をもたらす可能性も懸念されています。 このような状況を改善するため、RoHS指令では、電子機器の製造段階で特定の有害物質の使用を制限することによって、製品のライフサイクル全体を通して環境負荷を低減することを目的としています。
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ビジネスの秘匿情報:限定提供データとは?

現代社会では、企業間の連携強化やデータ共有の進展に伴い、企業活動において重要な役割を果たすビジネス情報の保護が喫緊の課題となっています。特に、複数の企業が共同で事業を行うコンソーシアムのような形態では、参加企業間での円滑な情報共有と、各企業の重要な秘密情報の保護との両立が求められます。 これまで、企業秘密の保護は、主に不正競争防止法上の「営業秘密」という概念に基づいて行われてきました。しかし、コンソーシアムのような複数の企業が関与する場面では、共有される情報が、特定の企業だけの秘密情報として明確に区分できないケースも少なくありません。このような場合、「営業秘密」としての要件を満たすことが難しく、十分な法的保護を受けられない可能性も出てきます。 このような課題に対して、近年注目されているのが、不正競争防止法で定められた「限定提供データ」という枠組みです。これは、営業秘密には該当しない場合でも、一定の条件を満たせば、不正な取得や利用から保護されるというものです。具体的には、提供の際に秘密であることが明確に示され、かつ、客観的に見て秘密として管理されているなどの条件を満たす必要があります。 コンソーシアムにおける情報管理においては、従来の「営業秘密」の考え方にとらわれず、「限定提供データ」という枠組みも活用することで、より適切な保護が可能になる可能性があります。共同で事業を行う際には、参加企業間で、秘密情報の範囲や管理方法について、事前に明確な合意を形成しておくことが重要です。