暗黙知

その他

知識創造のサイクル:SECIモデル

- SECIモデルとは SECIモデルは、組織の中で新しい知識がどのように生み出されるのか、その過程を分かりやすく説明するモデルです。知識には大きく分けて二つあり、一つは個人が体験を通して得るものの、言葉では説明しにくい、いわゆる「コツ」のような知識です。これを暗黙知と言います。もう一つは、言葉や図表などを使って表現できる知識で、こちらは形式知と呼ばれます。 SECIモデルは、この二種類の知識が組織の中でどのように影響し合い、新しい知識を生み出すのかを四つの段階に分けて説明します。 まず第一段階は「共同化」と呼ばれ、個人が持っている暗黙知を共有し、他の人の暗黙知と結び付ける段階です。例えば、先輩社員の仕事ぶりを見て、そのやり方を学ぶといった状況が考えられます。 第二段階は「表出化」です。ここでは、共同化によって得られた暗黙知を、言葉や図表などを使い、誰でも理解できる形に変換します。例えば、先輩社員の仕事の進め方をマニュアル化するのがこれに当たります。 第三段階は「連結化」です。ここでは、表出化された形式知を組み合わせ、より体系化された知識を構築します。複数のマニュアルを統合して、より網羅的なマニュアルを作成するといったイメージです。 最後の第四段階は「内面化」です。ここでは、連結化によって作られた体系化された知識を、個人が学習し、自分のものとしていきます。新しいマニュアルを読んで、自分の業務に役立てる場面がこれに当たります。 SECIモデルは、組織における知識創造プロセスを理解する上で非常に役立つフレームワークと言えます。