言葉の意味をベクトルで表現する技術
- 単語埋め込みとは人間は言葉の意味を理解し、文脈の中で単語を解釈しますが、コンピュータは数字しか理解できません。そこで、コンピュータに言葉の意味を理解させる手段として、「単語埋め込み」という技術が使われます。単語埋め込みは、言葉を数値のベクトルに変換する技術です。イメージとしては、辞書に載っている膨大な数の単語それぞれに、意味を表す特別な数字の組み合わせを割り振っていくようなものです。この数字の組み合わせを「ベクトル」と呼び、単語の意味を多次元の空間内に表現します。例えば、「犬」と「猫」という言葉を考えてみましょう。どちらも動物であり、ペットとして飼われることが多いという共通点があります。そのため、単語埋め込みでは、これらの単語はベクトル空間上で近い位置に配置されます。一方、「犬」と「自動車」は全く異なる意味を持つため、遠く離れた位置に配置されます。このように、単語の意味が近いものは近くに、遠いものは遠くに配置されるようにベクトルが計算されます。単語埋め込みによって、コンピュータは単語の意味を数値として扱えるようになります。これにより、文章の類似度判定や機械翻訳など、様々な自然言語処理のタスクで高い精度を達成することができるようになりました。