混同行列:分類モデル評価の基礎
- 分類モデルの評価
機械学習を用いて分類モデルを構築する目的は、未知のデータに対してどれくらい正確に分類できるかを測ることです。モデルの性能を評価するためには、単純な正答率だけでなく、様々な指標を用いて多角的に評価する必要があります。
確かに、正答率はモデルがどれくらい全体として正しく分類できたかを表すわかりやすい指標です。しかし、データの偏りによって、正答率だけでは見えない問題点が潜んでいる場合があります。例えば、病気の診断モデルを開発する際に、患者のデータのうち、実際に病気である人のデータが非常に少ないとします。このモデルは、少ないデータから学習するため、病気の人を正しく診断することが難しくなります。一方で、病気でない人を正しく分類することは容易になるため、結果として高い正答率が出てしまう可能性があります。
このような状況を避けるためには、適合率、再現率、F値といった指標も合わせて確認する必要があります。適合率は、モデルが「病気である」と判断したデータのうち、実際に病気であったデータの割合を示します。再現率は、実際に病気であるデータのうち、モデルが正しく「病気である」と判断できたデータの割合を示します。F値は、適合率と再現率の調和平均であり、両方の指標をバランス良く評価するために用いられます。
これらの指標を理解し、目的に応じて適切な指標を選択することで、より信頼性の高い分類モデルを構築することができます。