プロトコル

インターフェース

ウェルノウンポート番号を理解する

私たちは毎日、何気なくインターネットを利用して、様々な情報を手に入れたり、遠くの人と連絡を取り合ったりしています。ウェブサイトを閲覧したり、メールを送受信したり、動画を見たり…。これらの動作は、実は裏側で様々な技術が複雑に絡み合い、初めて実現できるものです。 こうしたインターネット通信において、重要な役割を果たしている要素の一つに「ポート番号」があります。インターネット上では、データのやり取りをする際に、宛先を特定する必要があります。この宛先を特定するために、「IPアドレス」と「ポート番号」の二つが用いられます。 「IPアドレス」は、インターネット上の各コンピュータに割り当てられた住所のようなものだと説明されます。では「ポート番号」は何でしょうか?これは、宛先であるコンピュータ内で、特定のアプリケーションを指し示す番号です。例えば、ウェブサイトを閲覧する際に使われる「HTTP」という通信規則には、通常「80」番のポート番号が割り当てられています。メールの送受信に使われる「SMTP」という通信規則には「25」番、「POP3」という通信規則には「110」番といった具合に、それぞれ異なるポート番号が決められています。 このように、「IPアドレス」と「ポート番号」を組み合わせることで、インターネット上でのデータのやり取りは、目的のコンピュータ上の、特定のアプリケーションに正しく届くようになっているのです。
インターフェース

リアルタイム通信の要!UDPプロトコル

- UDPプロトコルとはインターネット上で情報をやり取りする際、情報を正しく届けるためのルールが必要です。このルールを「プロトコル」と呼びますが、UDPプロトコルも数あるプロトコルのうちの一つです。「ユーザデータグラムプロトコル」というのが正式名称で、インターネット通信の基盤を支える重要な役割を担っています。UDPプロトコル最大の特徴は、データを送信する前に、相手との接続確認を行わないという点にあります。一般的な通信では、事前に接続確認を行い、データの送信準備が整ってからデータを送信します。しかし、UDPプロトコルではこのような手順を踏まないため、接続の手間を省き、迅速にデータを送信することが可能です。この特徴は、リアルタイム性を重視する通信において大きなメリットとなります。例えば、動画配信やオンラインゲームでは、わずかな遅延でもユーザー体験を損ねてしまいます。UDPプロトコルは、接続確認を省略することで遅延を最小限に抑え、スムーズな動画視聴や快適なゲームプレイを実現する手助けをしています。一方で、UDPプロトコルはデータの信頼性を保証する仕組みを持っていないという側面も持ち合わせています。そのため、データの正確性が求められる場面では、TCPプロトコルのように、データの再送制御などを行う仕組みが必要です。目的に応じて適切なプロトコルを使い分けることが、円滑なインターネット通信には欠かせません。
インターフェース

RARP:MACアドレスからIPアドレスを探し出す仕組み

- RARPの概要コンピューター同士が情報をやり取りしてネットワークを構築するためには、それぞれの機器に割り当てられた住所のようなものが必要です。これがIPアドレスと呼ばれるものです。しかし、新しくネットワークに参加する機器の中には、自分のIPアドレスを知らないものも存在します。このような場合に役立つのがRARP(Reverse Address Resolution Protocol)です。RARPを一言で表すと、MACアドレスからIPアドレスを調べるための仕組みです。MACアドレスとは、ネットワーク機器に工場出荷時に割り当てられる、世界で一つだけの識番号です。RARPはこのMACアドレスを手がかりに、対応するIPアドレスを探し出します。具体的には、IPアドレスを知りたい機器が、自分のMACアドレスをネットワーク上にブロードキャストします。すると、RARPサーバーと呼ばれる機器がこの要求を受信し、自身の管理するデータベースと照合します。データベースに該当するMACアドレスが見つかれば、それに対応するIPアドレスを返信します。このようにして、新しくネットワークに参加する機器は、RARPを利用することで自身のIPアドレスを取得し、他の機器と通信できるようになります。ただし、RARPはIPアドレスを提供するRARPサーバーをネットワーク上に設置しておく必要があるなど、いくつかの制約もあります。そのため、現在ではDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)といった、より柔軟な仕組みが主流になりつつあります。
インターフェース

PPPoE: イーサネット時代のPPP接続

インターネットが広く利用されるようになった当初は、電話回線を通じて接続するのが主流でした。この時代、「ポイントツーポイントプロトコル(PPP)」という技術が広く普及しました。PPPは、二つの地点間でデータ通信を行うための手順を定めたもので、電話回線のような常に信号が送受信されている回線を用いることで、安定したデータ通信を実現していました。 しかし、インターネットの利用が進むにつれて、ウェブサイトの表示に必要なデータ量が増加し、PPPによる通信速度では限界を迎えるようになりました。そこで登場したのが、より高速なデータ通信を可能にする「ブロードバンド」です。ブロードバンドには、光ファイバーを用いたものや、ケーブルテレビ回線を用いたものなど、様々な種類があります。 近年では、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、外出先でも手軽にインターネットを利用できる「モバイル通信」も一般的になりました。モバイル通信には、高速データ通信が可能な第4世代移動通信システム(4G)や、さらに高速な第5世代移動通信システム(5G)などが登場し、私たちの生活に欠かせないものとなっています。 このように、インターネット接続の技術は常に進化を続けており、私たちの生活をより便利で豊かなものにしています。
インターフェース

NTPとは? 時刻同期でシステム安定化

- NTPの概要NTP(Network Time Protocol)は、ネットワークに接続されている機器の時計を正確に合わせるための手順です。現代社会では、コンピュータシステム同士が連携し、複雑な処理を行っています。このような環境では、機器間の時刻のずれをなくすことが非常に大切になります。例えば、お金のやり取りや記録の管理、安全対策など、正確な時刻が求められる場面は数多く存在します。ほんのわずかな時刻のずれが、大きな問題を引き起こす可能性もあるのです。NTPは、このようなニーズに応えるために作られ、世界中の様々なシステムで使われています。NTPは、階層的な構造を持っています。最も正確な時刻を刻む「基準時計」を頂点として、そこからネットワークを通じて時刻情報が伝播していきます。各機器は、自身よりも上位の機器から時刻情報を受け取り、自身の時計を修正します。NTPは、ネットワークの遅延や揺らぎを考慮し、統計的な手法を用いることで、高精度な時刻同期を実現しています。これにより、ミリ秒(1秒の1/1000)レベルの精度で時刻を合わせることが可能になります。NTPは、インターネットを含む様々なネットワーク環境で使用できる、汎用性の高いプロトコルです。特別な機器やソフトウェアを必要とせず、多くのOSに標準で搭載されています。そのため、比較的容易に導入・運用することができます。
その他

インターネットの安全を守るIPsecとは?

- IPsecの概要インターネットは、今や私たちの生活に欠かせないものとなりました。日々、様々な情報をインターネットを通じてやり取りしていますが、その裏では情報漏洩のリスクが常に付きまといます。例えば、私たちが何気なく送受信するメールや、便利なオンラインショッピングなども、悪意のある第三者に情報を盗み見られる可能性があるのです。このような脅威から大切な情報資産を守るための技術の一つが、IPsec(IP Security)です。 IPsecは、インターネットの基盤となるIP(Internet Protocol)に、セキュリティ機能を追加した強化版といえます。 つまり、インターネット上でやり取りされるデータ自体を暗号化することで、たとえ情報が盗み見られたとしても、その内容を理解できないようにするのです。IPsecは、私たちの知らないところで、様々な場面で活躍しています。例えば、企業が拠点間で安全にデータ通信を行うために利用されたり、個人が自宅から会社のネットワークに安全にアクセスするために利用されたりします。インターネットの利用がますます拡大していく中で、IPsecは、私たちの安全な情報社会を支える重要な技術と言えるでしょう。
ウェブサービス

IMAPSで安全なメール受信を

近年、電子メールは私たちの日常生活や仕事において欠かせないコミュニケーション手段として普及しています。しかし、その利便性の一方で、第三者による盗聴や改ざんといったセキュリティリスクも存在します。個人情報や機密情報を含むメールが不正アクセスされた場合、深刻な被害につながる可能性も否定できません。 IMAPS(アイマップス)は、このようなセキュリティリスクからメールを守るための技術の一つです。IMAPSはInternet Message Access Protocol over SSL/TLSの略称であり、SSL/TLSという暗号化通信を用いることで、メールの送受信を安全に行うことを可能にします。 IMAPSを利用することで、メールの内容が暗号化され、送信者と受信者以外が内容を読むことができなくなります。また、メールサーバーへの接続も暗号化されるため、第三者によるなりすましや、メールアカウント情報などの盗聴を防ぐことができます。 IMAPSは、メールの送受信を行う際のセキュリティ対策として重要な役割を果たしており、多くのメールサービスで採用されています。安心してメールのやり取りを行うためにも、IMAPSに対応したメールソフトやサービスを利用することが推奨されます。
インターフェース

ネットワークの要!ARPプロトコルを解説

- ARPプロトコルとはインターネット上でのデータのやり取りは、宛先を特定するための住所のような役割を持つIPアドレスを基に行われています。しかし、実際にデータの送受信を行うネットワーク機器は、IPアドレスではなく、MACアドレスと呼ばれる固有の識別番号を使用しています。 ARPプロトコルは、このIPアドレスとMACアドレスの対応関係を解決する役割を担っています。ARPプロトコルは、住所から住人の名前を調べるような仕組みで機能します。例えば、あなたがウェブサイトにアクセスする際、あなたのコンピュータはまず、そのウェブサイトのIPアドレスを知っている必要があります。そして、実際にデータを送信するためには、そのIPアドレスに対応するMACアドレスを知る必要があるのです。あなたのコンピュータは、まずネットワーク内に「目的のIPアドレスのMACアドレスを知っているか」という問い合わせを送信します。 この問い合わせを受け取った機器の中で、該当するIPアドレスを持つ機器があれば、自身のMACアドレスを返信します。もし該当する機器がなければ、何も返信されません。このようにして、ARPプロトコルはIPアドレスからMACアドレスを特定し、ネットワーク上の機器が円滑にデータを送受信することを可能にしています。 ARPプロトコルは、インターネットの基盤を支える重要な技術の一つと言えるでしょう。