バックアップ

その他

バックアップの時間短縮:差分バックアップ方式とは

現代社会において、データは企業にとって最も重要な資産の一つと言えるでしょう。顧客情報、販売記録、設計図面など、データの種類は多岐にわたりますが、これらを失うことは、事業の停止や顧客の信頼喪失に繋がりかねません。 データ消失の原因は様々です。コンピューターシステムの故障や停電といった物理的な問題、うっかりファイルを削除してしまうといった人的ミス、近年増加しているランサムウェアによるサイバー攻撃など、企業は常にデータ消失のリスクに晒されています。 このような事態に備え、重要な役割を担うのがデータのバックアップです。バックアップとは、重要なデータを別の場所に複製しておくことで、万一データが消失した場合でも復元できるようにする対策です。 バックアップには、フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップといった種類が存在しますが、今回は「差分バックアップ方式」に焦点を当てて解説します。 差分バックアップ方式は、前回のバックアップ(フルバックアップもしくは差分バックアップ)以降に変更があったデータのみをバックアップする方法です。フルバックアップと比較して、バックアップに必要な容量や時間が少なく済むというメリットがあります。 例えば、毎週日曜日にフルバックアップを行い、月曜日から土曜日までは毎日、差分バックアップを行うとします。この場合、火曜日にデータが消失した場合でも、日曜日のフルバックアップと月曜日の差分バックアップから、火曜日の朝までの状態にデータを復元することができます。
その他

フルバックアップ:完全データ保護のススメ

- フルバックアップ方式とはフルバックアップ方式とは、その名の通り、バックアップ対象となるデータ全体を毎回丸ごと保存する方法です。パソコンやサーバーに保存されている全てのファイルやフォルダが、外部ハードディスクやクラウドストレージといった指定した保存場所に、そっくりそのままコピーされます。この方式の最大の利点は、データが消失した場合でも、バックアップデータから完全に復元できるという点にあります。うっかりファイルを消してしまったり、システムに障害が発生してデータが壊れてしまったりした場合でも、バックアップしておいた時点の状態に完全に復元できます。バックアップ取得時のシステムの状態を完全に再現できるため、データ消失のリスクを最小限に抑えられます。フルバックアップ方式は、データ消失に対する安心感が非常に高い方法と言えるでしょう。しかし、毎回全てのデータをバックアップするため、必要な保存容量が大きくなり、バックアップや復元に時間がかかるという欠点もあります。毎日膨大な量のデータが追加されるシステムや、処理速度が遅い機器では、フルバックアップの実行が負担になる可能性もあるでしょう。これらの欠点を踏まえ、フルバックアップ方式は、データの消失が許容できない重要なシステムや、データ量が比較的少ない場合に適したバックアップ方法と言えるでしょう。