データの可視化を容易にする次元削減
- 次元削減とは
世の中には、たくさんの情報があふれています。商品一つとっても、価格、色、重さ、大きさ、など、様々な側面から捉えることができます。このような多くの情報をコンピュータで扱う場合、それぞれの側面を「次元」と捉え、情報を整理します。例えば、商品の価格、色、重さの3つの情報のみで商品を表す場合、これは3次元のデータとして扱われます。
しかし、扱う情報(次元)が増えれば増えるほど、データの解析は複雑になり、コンピュータにかかる負担も大きくなってしまいます。そこで登場するのが「次元削減」です。
次元削減とは、データの本質的な情報をなるべく失うことなく、次元数を減らす技術のことです。例えば、先ほどの商品の例で考えると、価格と重さは互いに関連している可能性があります。価格が高い商品は、原材料に高価なものを使っているため重くなったり、逆に、製造コストを抑えるために軽い素材を使っているため安価になる、などです。このように、一見異なる情報に見えても、実は背後にある共通の要素によって関連し合っている場合があります。次元削減は、このようなデータの隠れた関係性を見つけ出し、より少ない次元で表現することを目指します。
次元削減を行うことで、データの解析が容易になるだけでなく、データの可視化が進む、データの保存容量を削減できる、などのメリットも得られます。そのため、近年では機械学習やデータ分析の分野で広く活用されています。