サイバー攻撃を段階的に理解する
近年の技術革新に伴い、企業や組織にとって、保有する情報資産の重要性はますます高まっています。同時に、これらの貴重な情報を狙ったサイバー攻撃は、高度化・巧妙化の一途を辿っています。もはや、一昔前のように、単独犯による愉快犯的な攻撃や、技術力を誇示するようなケースは稀になりつつあります。
サイバー攻撃の全体像を把握する上で重要な点は、攻撃者が明確な目的意識を持ち、組織的に行動しているという点です。標的となる組織の規模や業種は問わず、機密情報や個人情報など、金となる情報を盗み出すことが目的であるケースが多数を占めます。
攻撃の手法としては、標的型メール攻撃やウェブサイト改ざんなど、様々な方法が用いられますが、近年では、ソーシャルエンジニアリングと呼ばれる、人間の心理的な隙や行動の癖を突いた巧妙な手法も増加しています。これは、セキュリティソフトだけでは防ぐことが難しく、従業員一人ひとりが、セキュリティ意識を高め、日頃から適切な行動をとることが重要となります。