アナログからデジタルへ:A-D変換の基礎
私たちの身の回りには、温度計が示す気温や、耳に聞こえる音、そして目に映る光など、実に様々な情報が存在しています。これらの情報は、常に変化し続けており、ある瞬間と次の瞬間では異なる値を示すことが特徴です。例えば、気温は一日を通して徐々に上昇し、その後ゆっくりと下降していきますし、話し声は高くなったり低くなったり、強くなったり弱くなったりと、常に変化しています。このように、時間とともに連続的に変化する情報のことを、アナログデータと呼びます。
しかし、私たちの生活に欠かせないコンピュータは、このアナログデータを直接扱うことができません。コンピュータは、0と1のデジタル信号で情報を処理するため、滑らかに変化するアナログデータをそのまま理解することはできないのです。そこで、アナログデータをコンピュータで処理するためには、デジタルデータに変換する必要があります。この変換処理は、アナログ信号を特定の時間間隔で測定し、その時点での値を数値データに変えることで行われます。このようにして、コンピュータでも扱える形式に変換された情報を、デジタルデータと呼びます。