クラウド型とは？～今さら聞けないIT用語～

クラウド型とは？～今さら聞けないIT用語～

はじめに

近年、「クラウド」という言葉を耳にする機会が増えました。資料の共有や保存に便利なサービス、動画や音楽をどこでも楽しめるサービスなど、私たちの身の回りにはすでに多くの「クラウド型」サービスが溢れています。しかし、「クラウド」という言葉はなんとなく便利そうというイメージだけで、具体的にどのような仕組みなのか、従来のサービスと何が違うのか、理解できていない方も多いのではないでしょうか？

従来のサービスは、パソコンやスマートフォンなど、利用者が直接操作する機器の中にデータやソフトウェアを保存するのが一般的でした。そのため、機器の故障や紛失によってデータが失われるリスクや、ソフトウェアのバージョンアップや管理に手間がかかるといった課題がありました。

一方、「クラウド型」のサービスは、インターネット上に構築されたデータセンターでデータやソフトウェアを管理します。利用者はインターネットに接続することで、いつでもどこでも必要なサービスを利用することができます。そのため、機器の故障や紛失のリスクを軽減できるだけでなく、ソフトウェアの管理やバージョンアップもサービス提供側が行うため、利用者は手間をかけることなく常に最新の環境でサービスを利用できます。

このように、「クラウド型」サービスは、従来のサービスと比較して、利便性や安全性、コストパフォーマンスの面で多くのメリットがあります。今回の記事では、こうした「クラウド型」サービスの仕組みやメリット、具体的なサービス事例などを分かりやすく解説していきます。

クラウド型の仕組み

「クラウド型」という言葉は、近年よく耳にするようになりましたが、一体どのような仕組みなのでしょうか。簡単に言うと、データやソフトウェアを、自分のパソコンやスマートフォンなどの端末に保存するのではなく、インターネット上にあるサーバーに置いておく仕組みのことを指します。

イメージとしては、巨大なデータセンターに情報を預けているようなものです。このデータセンターは、世界中に張り巡らされており、莫大な量の情報を保管することができます。私たちは、インターネットに接続することで、いつでもどこからでも、このデータセンターにアクセスすることができます。必要な時に必要な情報を引き出したり、サービスを利用したりすることができるのです。

従来のように、自分のパソコンにソフトウェアをインストールしたり、データ保存する必要がないため、パソコンの容量を気にせず、常に最新の情報にアクセスできるというメリットがあります。また、インターネットに接続できる環境さえあれば、場所を選ばずに作業できるため、大変利便性が高いと言えるでしょう。

従来型との違い

従来のシステムといえば、ソフトウェアやデータを自分のパソコンに直接インストールして使うのが当たり前でした。これは、まるでお店で商品を買ってきて、自宅でそれを組み立てるようなものです。しかし、クラウド型のシステムは全く違います。例えるなら、必要な時に必要なサービスを、インターネットを通じて必要な分だけ利用できる、そんなイメージです。まるで、レストランで食事をするように、気軽にサービスを利用できます。

クラウド型の大きな利点の一つに、場所を選ばずにサービスを利用できるという点があります。インターネットに接続できる環境さえあれば、自宅でも職場でも、あるいは外出先でも、同じようにシステムを利用できます。これは従来のシステムでは考えられなかった、大きな変化です。

さらに、システムの管理が非常に楽になるという点も、見逃せません。ソフトウェアの更新やデータのバックアップといった、従来は利用者が自分で行っていた作業を、クラウドサービスの提供会社が全て代行してくれます。利用者は、システムの管理に時間を取られることなく、本来の業務に集中することができます。これは、まるで専属の管理人がいてくれるようなもので、大変便利です。

クラウド型のメリット

近年、企業のシステム構築において、従来型のオンプレミス型に代わり、クラウド型が注目されています。クラウド型には、従来型と比べて多くのメリットがあるためです。

まず、クラウド型はインターネットに接続できる環境さえあれば、いつでもどこでもサービスを利用できるという利点があります。そのため、従業員はオフィスにいる場合と同様に、外出先でも仕事を進めることができます。これは、テレワークの導入や、営業担当者など外出が多い従業員の業務効率化に大きく貢献します。

また、クラウド型は初期費用や運用コストを抑えられる点も魅力です。従来型のオンプレミス型のように、高額なサーバーやソフトウェアを購入する必要がなく、利用した分だけの費用で済むため、コスト削減に繋がります。さらに、システムの運用や保守もクラウド事業者が行ってくれるため、企業は専門の担当者を置く必要がなく、人件費の削減にも繋がります。

そして、クラウド型はセキュリティ面でも優れています。データはクラウド事業者のデータセンターで厳重に管理され、常に最新の状態に保たれます。また、万が一の災害時にも、データの損失を防ぎ、事業を継続できるよう、様々な対策が講じられています。

このように、クラウド型には多くのメリットがあるため、今後もますます普及していくと考えられます。

クラウド型の具体例

クラウド型のサービスは、私たちの日常生活に浸透しており、多くの利便性を提供してくれています。ここでは、身近な例を挙げながら、クラウド型サービスについて詳しく見ていきましょう。代表的な例として、GmailやYahoo!メールといったウェブメールサービスが挙げられます。従来のメールサービスでは、パソコンに専用のソフトをインストールする必要がありました。しかし、ウェブメールサービスでは、インターネットに接続できる環境であれば、どの端末からでもメールの送受信が可能です。
また、Google DriveやDropboxなどのオンラインストレージサービスも、クラウド型のサービスの一例です。これらのサービスを利用すれば、写真や動画、文書などのファイルをクラウド上に保存しておくことができます。そのため、パソコンやスマートフォンの容量不足を気にすることなく、大切なデータを保管しておくことが可能です。さらに、これらのサービスでは、保存したファイルを他のユーザーと共有したり、共同で編集したりすることもできます。
動画配信サービスも、クラウド型のサービスとして挙げられます。NetflixやAmazon Prime Videoなどのサービスでは、膨大な数の映画やドラマ、アニメなどを、インターネット経由で視聴することができます。従来のレンタルビデオ店のように、借りに行く、返却するといった手間も時間もかかりません。このように、クラウド型のサービスは、私たちの生活をより便利で快適なものへと変えてくれています。

まとめ

今回の記事では、従来のシステム運用とは異なる、インターネットを通じてサービスを利用する「クラウド型」という形態について解説しました。
従来型のシステムでは、自社でサーバーなどの設備を用意し、運用や管理を行う必要がありました。しかし、クラウド型では、これらの作業はサービス提供事業者がすべて担ってくれるため、利用者はサービスを利用することに集中できます。
これが、クラウド型の大きなメリットの一つです。
さらに、クラウド型は、利用した分だけの費用を支払う従量課金制を採用していることが多く、初期費用や運用コストを抑えることが可能です。
このように、クラウド型は従来型に比べて、利便性やコストパフォーマンスに優れた点が多く、企業活動において、システム導入や運用のハードルを大幅に下げる可能性を秘めています。
そのため、今後もさまざまな分野での活用が期待され、ますます普及していくと考えられます。
今回の記事を参考に、ぜひクラウド型サービスのメリットを実感してみてください。